最近よく耳にする言葉の一つに「AI」ってありますよね。
と、一括りに言っても、
実際「AI」って何なのか分からない。。。
今日はそんなあなたに、
「AIって~~~なものなんだよ。」
と周りに説明できるほど、AIについて解説していきます!
目次
この記事の情報はこちらの本から得ました。
「AI vs 教科書が読めない子供たち」(新井紀子)
非常に面白かったです!おすすめ!
1. AIは人間の頭脳を超えるのか
・AIとは?
AI [artificial intelligence]:人工知能。知能を持ったコンピュータ。
と、一般的には訳されてます。しかし、実は
AIはまだ存在していません。
人工知能というからには、人間と同じまたは同等レベルの知能がなければなりません。
しかしそんなコンピュータは存在していないのが、現状です。
皆さん、siri(シリ)はご存知ですよね?
siri だって本当の意味では、AIではありません。
あれは「AI技術」で、AIを実現させるための技術です。
音声認識技術、画像処理技術、自然言語処理技術、情報検索技術、文字認識技術
などなど。
ちなみに siri は、音声認識技術と自然言語処理技術を用いています。
「AI技術」のことを「AI」と呼ぶ方が多く、世の中ではあまり区別されていませんね。
そして、
基本的にAI、コンピュータは「計算」をしています。
というか、「計算」しかすることはできません。
つまり、
AIはその「計算」だけで「人間の知的活動」を表現しなくてはなりません。
分かりやすく言うと、人間の脳で、
「あの人の事が好き」とか「明日の朝ごはん何だろう」とか
考えていることすべてを計算、数式で示せ
という事なんですね。
健康な人間の脳にセンサーを埋め込んで、解析なんて、今の時代許されませんし、
できたとしても、分かるのは電気信号や血流など物理的な動きだけです。
だからAIを作るには、人間の知能の原理は分からないけど、あれこれ工学的に試したら
ある日、「あれ、AIできちゃったー!」という方法でしか作ることはできません。
例えば、「飛行機」などもそうです。
実は、飛行機が飛ぶ原理は数学的に完全に証明されているわけではありません。
けれど実際に飛行機は飛んでいる。
だから(この「だから」は非論理的ですが)、
人工知能もそのように工学優位で実現し、あとから時間をかけて
「なぜそのように脳は動くのか」
を解明すればよいと考える人もいます。
そのため本当の意味のAIを作れないというわけではありませんが、途方もなく時間がかかることにはなるでしょう。
・シンギュラリティは来ない
みなさん、シンギュラリティという言葉をご存知ですか?
シンギュラリティ(singularity): AIが人間の能力を超える地点
一般的にはそうらしいです。実際とても漠然としていて、捉え方は様々です。
AI用語では正確には、
technological singularity : 技術的特異点
と訳されます。
「AIが自律的に(人間の手を全く借りずに)、自分自身より能力が高いAIを作り出せるようになったこと」
を言います。
AIが自分で、自分より高度なAIを生み出すことができるのなら、それを繰り返して、
無限の能力を持ったAIができるのではないか
ということですね。
ここで疑問が、、、
「AIは人間より頭が良くなって、AIに人間が支配されちゃうんじゃないの?」
それは、、ない です!
2017年に将棋の名人がAIの将棋ソフトに負けたというニュースがありました。
その件などで、AIへの期待や危機感を持つ方は多くいらっしゃると思いますが、シンギュラリティは私たちが生きている時代には来ないと言えます。
その理由はこのあと説明します。
2. AIにできること、できないこと
・AIにできること
先ほども言いましたが、AIにできることは、
「計算」 それも 「四則演算」 (足し、引き、かけ、わり)
ただそれだけです。
もう少し詳しく言うと、計算を用いて、、、
- 論理
- 確率
- 統計
この3つしかできません。というか、
数学には、人間の認識や人間が認識している事象を説明する手段として、
「論理」「確率」「統計」の3つしかないのです。
少し数学の歴史の話をします。
「論理」とは、、、
「A=B」かつ「B=C」であるなら 「A=C」
ということです。
万有引力の法則やニュートン力学はこれによって非常にうまく説明できました。
しかし、論理だけでは説明できない事象が出てきました。
例えば「落下」などです。落下という現象を詳しく観察すると、必ずしも万有引力の法則で計算した通りにはなりません。空気の状態や風など様々なランダムな要素が加わり「絶対にここに落ちる」など計算できないのです。
そこで登場したのが「確率」です。
確率では「サイコロを振って1の目が出るかどうか」を当てることはできません。しかしサイコロを振りつ続ければ、6回に1回、1の目が出る、と考えてよいことにしました。
ランダムに起きる事象について正確に予測はできなくても、どのくらいの割合で起きるかの予測は立てられるようになったのです。
しかしまだ、
論理と確率を用いても、表現できないものがありました。
それは「人間の意志」です。論理を用いても、株価や大統領選挙の行方まで予測することはできません。かといってランダムに決まっている事象でもありませんでした。
そこで登場したのが「統計」です。
統計は観測可能な情報(アンケートなど)と過去のデータからそこに潜む法則性を見つけ、予測を立てます。
この「論理」「確率」「統計」が4000年以上の数学の歴史で発見された数学の言葉の全てであり、科学の言葉の全てなのです。
いくら次世代スパコンや量子コンピュータが開発されようと、できるのはこの3つしかないのです。
・AIにできないこと
数学が発見した「論理」「確率」「統計」で人間の知能を表現するには、足りないものがあります。
それは「意味」を表現する方法です。
現代の数学は「真・偽」しかありません。
だからsiriに
「ここの近くのおいしいイタリア料理店は?」
「ここの近くのまずいイタリア料理店は?」
「ここの近くのイタリア料理以外のレストランは?」
と3通りの聞き方をしても同じ答えが返ってくると思います。
「おいしい」も「まずい」も「以外」も
siriには意味の違いが分かりません。
siriは「近く」「イタリア料理」という単語から、過去のデータより統計を用いて多くの人がより満足しやすい答えを言っているだけなのです。
だから「言葉の意味を理解する」ということはAI、コンピュータにはできないのです。
これより、AIが人間の知能を超えるという事はまだまだ先であることが分かります。
だから私たちが生きている時代では、シンギュラリティは来ない可能性が極めて高いと言えます。
3. AI時代で私たちがすべきこと
シンギュラリティは来ないと言っても、現代ではAI技術のような、人間にも勝るハイテクシステムが多く排出されています。
また、最近ではAIを用いる企業が多くなっているとよく耳にします。
先ほどから、AIは人間には絶対勝てないというようなことを書いてきましたが、人間も油断していてはいけません。
AIにも得意なことはあります。
まず、コンピュータは疲れません。一日中同じことを繰り返す、同じ法則に従ってやることなんかはものすごいスピードで続けてやることができます。
それに、最近の画像認識機能などはとても優れています。一枚の写真から一瞬にして多くのデータを読み取ることもできます。
そのような分野ではAIには到底勝てないでしょう。
AIにできないことは 「0 から 1 を作り出す」ことです。
AIは今までになかったものを作り出すことはできません。人間のプログラム通りに動くだけです。
ということは、、、
新しいものを作る。
そういう分野なら、人間が勝ることは間違いないと思います。
しかし、新しいものを生み出せる人間もそうそういません。
「あなたは自分から新しい一歩を踏み出せていますか。」
AI時代は今、急速に進化しています。
機械はものすごい速さで学び、今もAIの開発者があらたなAI技術を開発しています。
時代に遅れないよう、
私たちも日々進化していく必要があるのではないでしょうか。
「AI vs 教科書が読めない子供たち」(新井紀子)
Plus Ultra!!!!